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図4 癌の種類と年齢分布

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図5 剖検による胃癌の合併症(99人)

調査するために、最初に頻度の多い癌の中から図4のように5種類を選び、それぞれの年齢分布を比較すると乳癌はやや若年に分布し、前立腺癌は高齢に多く、大腸癌、胃癌、肺癌はその中間に分布している。ここでScheffe'sの2群間対比の手法により各群間の比較を行うと、乳癌と前立腺癌、乳癌と胃癌、乳癌と肺癌の年齢分布の間に有意差のあることがわかった。
次にこれら5種類の癌について剖検例よりみた合併症を調査した。
結果は次のごとくであった。
図5は胃癌99人の剖検例から得られた合併症である。結果は呼吸器感染症の頻度が最も多く49.5%、ついで腹水17.2%、肝鬱血17.2%、左心肥大14.1%、脾炎14.1%の順になり、さらに多重癌の頻度は30.3%であった。
なお脾炎や脾鬱血、あるいは肝鬱血の一部は臨床的には感染症や心不全の結果として、また病理

 

 

 

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